みなさんこんにちは。あつーんです。
「アメリカ発、日本で大人気!!」
・・・なんて謳い文句は今どきベタすぎて、耳にすることなどすっかり無くなりましたが、まさにそんなアイテムが今、通訳界を賑わせています。
それがこちら。
Google 音声文字変換/Live Transcribe
私がこのアプリを知ったのは昨年末(2024年12月)、先輩通訳者とペアを組んだ時のことでした。その先輩はアメリカ出張から帰ってきたばかりだったんですが、現地で一緒になった通訳者が皆これを使っていて、その変換スピードや精度に衝撃を受け、早速インストールした、とおっしゃっていました。
その日のお仕事では、私にも見えるように置いてくださって、私もそれを見ながら通訳させてもらいました。
話者が話していることをほぼリアルタイムで文字にしてくれて、その精度も100%とまではいかないけれど、仕事で使うのに十二分に耐えうるレベルでびっくり。その日はたまたまインドのビジネスがテーマで、話者が全員インド訛りだったのですが、固有名詞も含め、ちゃんと変換されていました。
このアプリは、Google Playでしか配布されていないため、iPhoneユーザーの私はアンドロイドスマホを買うところからスタートしたんですが、その仕事の後、さっそく秋葉原のヨドバ**メラに走ったのは言うまでもありません。ローエンドの機種なら新品でも1万円台で買えます。
もともとアメリカのギャローデット大学という聴覚障害者のための大学とGoogleが共同開発したもので、本来は聴覚障害者の方々の会話支援のためのツールです。だからこそ、余計な機能がついておらずシンプル。しかも無料です。
また、以下のことから、プライバシーにも配慮されていると感じました。
・Wifiなどのネットワークにつながっていなくても使える
・データがクラウドに送られることもない
・履歴は一定期間経過すると自動で削除される
・能動的に履歴を削除することもできる
筆者は(幸か不幸か)普段使いのスマホとは別の端末を調達しなければならなかったので、その端末はこの目的専用にしています。SIMカードも入っていませんし、たまーに端末をアップデートするとき以外はWifiにも繋げていません。セキュリティ業界でいうところの「エアギャップ(インターネットから完全に隔離されている状態)」的な運用です。余計な出費にはなりましたが、セキュリティ面ではかえって良かったんじゃないか、と思っています。
世の中にはもっと高機能な文字変換ツールも多く登場しているようですが、筆者はこのアプリのシンプルさが気に入っています。データが消えてしまうのも、逆にありがたい。ビジネスの会議向けに開発されたものならば、そうはいかなかったでしょう。
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ある仕事で、講師の方がこんなことを言っていました。「価値のあるものが無料で使えるときは気をつけたほうがいい。そこでの商品は『あなた』なのだから。」
例えば、Gmailは無料で使えますが、ここでの「商品」はメールサービスではなく、無料メールと引き換えに収集したあなたのデータであり、その「客」はもちろん、あなたではなく、あなたのデータが欲しい人達ということ。
そう考えると、会話データを流出させることなく、このサービスを無料で使えているというのが、どれだけすごいことか分かります。なぜそこまでしてくれるのか、といえば、このアプリが聴覚障害者の方々のための支援ツールであるから、にほかならないでしょう。
うーむ、このアプリを仕事に使わせていただいている、お借りしている、というのが、だんだん恐れ多いことに思えてきました・・・。
ギャローデット大学に何かお礼できないだろうか、と探してみたところ・・・ありました!(さすがアメリカの大学。クレジットカードで寄付ができるようになっています。)金額は100ドル単位でメニューから選択、あるいは、自由入力で任意の額にできます。
オンラインで何か購入するときのように、必要事項を入力していくんですが、1つだけ注意点が。CountryをJapanにしても、State(アルファベット2文字の州コード)を選ばないとエラーがでてしまうんですね。どうせいっちゅーねん!と。
私はいちかばちか、「AA」を選んでやってみたら、うまくいきました。
大学からお礼のメールもきましたよ。なんか嬉しいぞ。
あ、このメールは領収書も兼ねていますから、確定申告で寄付金控除に含めることをお忘れなく!
ちなみにAAは何州のコードかというと・・・
合衆国軍 🦅 です!!
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というわけで、今日はこのへんで・・・。
次回は、Google音声文字変換の始め方、使い方、そしておすすめの周辺機器などご紹介していきたいと思います。
今日もお読みくださってありがとうございました。
あつーんでした。